『けいおん!』第4巻
近所の書店では新刊扱いという風でもなく、ふつうに平積みされていた。
- 作者: かきふらい
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2010/09/27
- メディア: コミック
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髪いじりのくだりも良かった。またしても澪がツインテールにされてるだけでもツボなんですが「やめて下さいよ唯先輩・・・」のセリフ回しがたまらんかった。なぜアニメでやらなかったのか不思議ですわ。日笠さんの声で聞きたかった。あと、澪の魂が乗り移ったあずにゃんの猫パンチ(?)は強烈らしいです。
かきふらいさんの描写タッチは、丁寧に作り込んだアニメに比べるとかなりラフなんだけど、時々織り込まれる横顔ショットにハッとさせられます。これはアニメの影響かな。とくに第2期では始業式のりっちゃんをはじめとして、陰影を付けた横顔の印象的なカットが目白押しですから。
で、純ちゃん。確か原作では所属クラブを明らかにしてなかったはずだし、楽器をやっていることのほのめかしもこれまでなかったけど、クリスマスパーティーのくだりではしっかりとアニメと同じヤマハ製のベースを抱えています。最終話の「入部宣言」につなげる伏線のつもりだったのかな。アニメでは来年度以降の展開にまったく触れられていないけど。
アニメ版では大いに「泣き」の演出が入った学園祭ライブ直後のくだりはサラッと流しています。ぼくはこのくらいの軽さのほうが好きです。そもそもHTTの子たちは音楽至上主義じゃないし、むしろ音楽は二の次でグダグダとお茶してだべってるほうが好きなんだし。
そうしたゆるゆる感をダイレクトに読者へ伝えているのが原作。純ちゃんやモブ子たちを介在することで相対化させているのがアニメ。
最終話で梓が号泣するのは原作・アニメで共通するところ。ただ、アニメ版では梓が先輩たちを見送る側に立っていない、というか「梓の視点」と「視聴者の視点」が最後の最後でバシッと切り離されている。ラストの「閉じられたドア」がむちゃくちゃ印象的ですが、ここで無意識のうちに「先輩と梓の別れ」と「作品と視聴者の別れ」を混同することで、梓に感情移入している視聴者の姿があらわにされてしまいました。原作のラストカットは梓視点とも受け取れるだけに、そういう甘えを許さないアニメ版の酷薄さは堪えましたなあ。