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『けいおん!!』2期後半OPの刷り込み効果について。

前回にもちょっと触れたけど第20話「まだまだ学園祭!」で引っかかったのは以下の点。

  1. なぜか観客や関係者が全員HTTのシャツ着てる。
  2. 今まで接点がなかったモブ子たちが異様にノリノリ。
  3. ライブ後に部室で大泣き。

まあ、このあたりについてはいろいろと言いたいことが溜まっているのですが、脚本や演出に対してここでああだこうだ言ったところで「それは好みの問題だろ」と返されたらそれまでだし、ぼくの個人的な好き嫌いをベースにぐだぐだ文句つけても仕方ない、永遠に答えのでない空しい作業かなとも思います。
というわけで、最初はいろいろ批判的なことを書こうと思ったけどやめにして、個人的な推測を交えたことを書いてみます。

誰も彼もがノリノリ!

2期後半OPでは、軽音部の5人が教室でライブをやるカットが何度も入っています。今までのOPでも演奏シーンは挟まれていましたが観客はゼロでしたよね。しかし今回は彼女たちが演奏しているすぐ前でクラスメイトたちが本当に楽しそうに踊りまくってる。今までにない趣向です。これはつまり、制作サイドが「HTTがライブやったら誰も彼もがノリノリになるんだよ、HTTはそういうバンドなんだよ」と、そういう印象づけを狙ってるんだと思います。
普通なら物語の中で「だんだんHTTのファンが増えてきた」ことを表すのでしょうけれど、逆に『けいおん!!』では物語ではほとんど触れないかわりに毎回目にするOPの映像で視聴者の頭に「誰も彼もがノリノリ」を刷り込もうとしているのではないでしょうか。

みんなが大好き!

OPの楽曲「Utauyo!!MIRACLE」では「みんなが大好き」や「大好きをありがとう」など「大好き」というフレーズが何度も出てきます。ここも大きなポイントなんですよね。ここで比較対象として第1期12話のラストで唯が「けいおん大好き!」と叫ぶセリフを考えてみると、あれは唯本人が自分のやってる部活動、その仲間たちが「大好き」であるという意味合いにすぎない。
それに対して、2期後半OPでの「大好き」は、狭い範囲の身内だけじゃなくて「みんな」というところまで射程距離が広がっています。それと「大好きをありがとう」というのはつまり「みんなが自分たちを好いてくれる」という確信でもあるわけで、だから観客が全員お揃いのTシャツを着ていても全然不思議ではない、というわけです。

感情のスイッチを全部オンにする!

OP曲の歌詞「大好き 大好き 大好きをありがとう」に合わせて、HTTの5人が先生や友達に抱きついていくカットがありますね。ほかの部員ならともかくとしてあの澪までが嬉々として抱擁を求めていくというのは、最初見たときは「それは澪のキャラじゃないだろう」と強い違和感がありました。でも慣れというのはコワイもので、毎回見続けていくうちに「そういう描写がストーリーの中に出てきてもおかしくないかなあ」と思うようになってしまいました。
そういう意味では、第20話の終盤で5人が泣きながら抱き合っているカットも(ものすごい違和感を覚えつつも)まあアリなんじゃないかな、と思ったりもしてます。違和感というか、いつの間にかOPの描写を基準に本編を見てしまっている自分がコワイという部分もあるんですが、ともあれ「思い切って感情のスイッチを全部オンにしちゃえば恥ずかしいことなんてないんだよ」というスタンスが作品の中に盛り込まれていると思います。また澪の話ですが、みんなと一緒に身体を傾けながらハキハキ歌ってるカットもかなり違和感があったんですけどね(あの顔はけっこうカワイイけど)。

Tシャツといえば横浜アリーナ

昨年末のライブイベントで、ラストの「レッツゴー」を歌うときはみんなお揃いのTシャツでした。Tシャツというのはシンプルながらメンバーやファンの一体感を醸し出すには打ってつけのアイテムなのかも知れません。そして「レッツゴー」の前には声優さんたちの挨拶がもう誰も彼もが感極まって涙声になってましたし、けいおんファンの中では「泣き」のイメージが前もってインプリントされている可能性は高いと思います。たぶん、第20話の吹き込みをしている時点の声優さんたちも、あのイベントを思い出しながらグッとくる部分が多かったんじゃないかな。

最後に

2期後半OPのことを中心に書いてみましたが、ぼくの感じる第2期『けいおん!!』の魅力は、OP映像のような、みんながハイテンションでぶっ飛ばしていく凄まじさよりもむしろ、静けさの中からふっとわき出してくる各々の心情なんです。その心情もストレートな泣き笑いではなくて、緊張が解けたとき自然に表出してくるエモーション。そういう思いが強かったこともあって(しつこいですけど)終盤の「泣き」はなくてもよかったなあと思うんですよね。まあ、あずにゃんは最後まで泣いてなかったですけど、それにしても澪までもが「来年の新歓ライブは」とか乗り出してくるのはやりすぎですよ(不謹慎な例だけど、余命数ヶ月と宣告された子の前で来年はどうしようかと話してて「あっ、来年はお前いないんだよな」みたいなノリというか、なんかもう演出がベタすぎて見てるのがつらくて)。
それはともかく、最終話でも(シメの意味で)ライブやるんでしょうね、卒業ライブ。その時はOPと同じように教室で、演奏に合わせて卒業生たちが飛び跳ねながら「大好き!大好き!」と歌うカットが出てきそうな予感がしています。