『けいおん!!』第20話を見た。

学園祭シリーズの第3弾は全編ライブ(2クールもあると贅沢に時間が割けるね・・・)。

アバン

まずはりっちゃんのいたずらマジック作戦でスタート。これは澪にやられた「三つ目星人」への意趣返しかな。まあ、やりたい気持ちはわかるけど・・・なんか気色悪いわ。第1期のフジツボとかザリガニもそうだったけど、ぼくとしては生理的に合わんかったカット。澪じゃなくてもあれは怒るよ。

久々に主人公の面目躍如

さて、今回は久しぶりに唯が主人公の座にカムバックしてきた回でもありました。ライブでは唯が作詞の新曲(2曲)のお披露目がありましたが、唯ならではのグダグダでとりとめのないMCも見どころのひとつになっています。彼女の頭に演奏の時間配分などハナから存在しないことは明かですが、あの計画性&方向性ゼロのMCを聞いていると思わず自分も観客(あるいはメンバー)のひとりになったつもりで、
「お前しゃべりすぎやろ!」
「澪ちゃんのロミオ役はさっき言うたばっかりやないか!」
「ムギちゃん落ち着いてって、お前は人の心配するより自分のこと心配せえよ!」
などといちいちにツッコミを入れてしまいます。とはいえ、こういういい加減さこそが唯の唯たるところであり、そのあたりにしっかり時間が割かれているのは、唯にとって主人公の面目躍如といったところでしょうか。

ごはんはおかず

新曲1発目の「ごはんはおかず」の歌詞は第17話「部室がない!」の中でも触れられていたけど、改めて聞くといかにも唯らしいというか何というか・・・ラーメン、うどん、と来て、最後に「お好み焼き&ごはん」で「関西人」を連想するセンスは何。まさか中島らものエッセイでも読んでインスパイアされたのではあるまいな*1。それはともかく「どないやねん!」のツッコミパートはムギちゃん(寿美菜子さん)にやってほしかったなあ。まあ、もし年末にライブイベントの第2弾があったら、観客全員で「どないやねん!」の総ツッコミができるし、これは間違いなく乗れるナンバーですね。

観客たち

今回は、さわ子、和、憂、純などおなじみの脇役に加えてモブ子たちの存在もフィーチャーされていましたね。いや、ぼくはまだ名前と顔がほとんど一致してないのですが、ショートヘアの男っぽい子(修学旅行のときに食欲のない律と唯を心配してた子)が近田春子さん。これだけは覚えた。
そういえば、前回予告の曽我部先輩はぜんぜん見えなかったけど、それより気になったのは、客席にいた憂が後ろを振り返って「お姉ちゃんだよ」のセリフ。うう、平沢家の両親も見に来ていたのか(しかもHTTのTシャツ着てるっぽいし)。ただ、観客や関係者の誰も彼もがお揃いのTシャツを着込んでいるのはちょっと不自然なのでは?

祭りの後

第19話「ロミジュリ!」の終盤もそうでしたが、祭りの後というか、学園祭の熱気がいったん遠のいた後の描写をしっかり入れているところが第2期らしいところだと思います。

軽音部で言うなら部活動がオンで、その他学校生活やプライベートの部分がオフ。更に私の主観で言えば、1期がオンで2期はオフ。そのギャップによって、ぐぐぐっと彼女たちの存在を身近に感じるようになりました。拙い表現ではありますが、「ああ、普通の女の子たちなんだな」と。
「けいおん!!」はTwitterに似ている - だーくまたー

そうそう。2期では「オフ」の部分が魅力なんですよね。たとえ賑やかなイベントの最中であっても、ちょっとそこから抜け出してチルアウトしてる感じ、そこでキャラクターの心情がほっと浮き彫りになってくる感じが第12話「夏フェス!」でも醸し出されていましたから。
だからこそなんですけど、こういう静かな描写にあえて「泣き」の要素を入れるのはどうかな・・・と思うんですよね。3年生にとっては学園祭が最後の大きなイベント、この5人が揃って(少なくとも高校の)舞台に立つことはもうないって最初から分かってる話だし、それは当事者だけでなく視聴者のぼくらにとっても寂しいし悲しい話です。
終盤の演出を「お涙頂戴」とまでは言いたくはないけど、ぼくとしては「果たしてそこをあえて言語化する必要があったのか?」「ことさらエモーショナルに演出する必要があったのか?」と引っかかってしまうところもあります。2期ならではの「オフ」の魅力を引き出すのなら、ここは受け手側に感情の行く先を委ねても良かったんじゃないかなあ。そういうわけで終盤にはちょっと違和感を覚えてしまいました。まあ、昨年のライブイベントの映像でもアンコール近くで「泣き」が入っていましたし、出演者に泣かれるとこちらもついグッと来るものがあったりするのも事実なんですが。

*1:こちらのサイトで「うどん定食」の話が紹介されています。→ドイツの街角から - i18n ready?: うどんにご飯