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京都アニメーション座談会@京都文化博物館

文化博物館・別館ホールにて。
10:30〜『天上人とアクト人最後の戦い』、12:10〜『けいおん!!』1〜2話、13:30〜『涼宮ハルヒの消失』と、京アニ作品づくしのプログラムの最後を飾るトークセッションでした。ぼくは先日、同博物館の3Fシアターで「消失」を鑑賞していたので今回はパスしたのですが、10:30からずっと座りっぱなしだった方もおられるのでしょう、お疲れ様。
以下、トークセッション中に書き留めたメモです。
☆博物館スタッフの挨拶
8年前「京都映像フェスタ」の際、京アニに展覧会への協力をお願いして、60日間、当博物館に出張スタジオを作ってもらった。当時の京アニはまだ「ハルヒ」の前、「MUNTO」制作時だった。スタッフが絵をiMacで一枚ずつ撮影していた(デジタル撮影)。そのキラキラした表情が印象的だった。

京都アニメーション・セナミさん(?)の司会・挨拶により、武本康弘木上益治石立太一の3人が登場(BGMは「ふわふわ時間」)

☆3人について

☆アニメーション制作の仕事に入ったきっかけ
武「自分は『汚れてる』かも・・・高校卒業時、映画やマンガに興味があったけど、マンガについては同人誌に携わっている友達から(生き残れるのはごくわずか等)話を聞いて諦めた。イラストレーターについても同様。しかし、アニメーションについては、番組最後のスタッフロールに大勢の人が記載されているのを見て「これならいけるかも」と思った。実際に仕事を始めてから凄い人が多いことに気付いた」
木「子供の頃からディズニーや手塚作品に感銘を受けてこの仕事を始めた。自分は大阪出身なので上京時にはツテがなかった」
石「特に目的意識はなかったが映像作品には興味があった。TV番組制作会社の面接を受けたが、徹夜など体力勝負な話を聞いて無理だと思った。他の選択肢を探しているとき『近かったので』京アニを選んだ。木上さんにはショックを受けた」

☆担当作品について
武「その作品が『どうしてほしい』のか、そういう声を聞く。自分から『こうしてやろう』と思っていたらうまく行かない。(ハルヒ消失について)キョンが谷口の一言を聞いて光陽園学院に飛び出していくところがお気に入り。作品づくりについては・・・自分が『こうやりたい!』と思うものを詰めこんだらこうなった感じ」

☆ロケハンについて
武「原作者に(モデルとなった場所について)確認しています」
武「(迷子エピソードについて)フルメタの取材で香港に行き、写真撮影を行った。とある大学に寄った時『この屋上に上がれば良い景色がとれるかも』と思って入ってみた。撮影を終えて戻ったら『どこ行ってたんですか』と怒られた」
木「MUNTOは会社の近くがモデルです」

MUNTOについて
木「社内でオリジナル作品がつくれる環境が整った頃に出てきた作品。デジタル規格のアニメーションです。プレッシャーはなかった」
武「作画チームのプレッシャーは大きかった」
石「自分が入社した当時の作品。原画に参加した」
武「木上さんに中途半端なものを出すと返ってこない。(木上が)自分で手直ししてしまう。これでは自分が関わった痕跡が残らない、これはマズイと思った」
石「木上さんからのプレッシャーはあった」

☆会社について
木「スタッフが途中で辞めないで、育っていく環境づくりを考えている」
木「京アニのスタッフは、登場人物への思い入れが凄い。愛を持って作画に関わっている」

☆オリジナル作品について
木「京都を舞台にした作品の企画を考えている。京アニ大賞作品を元にしたアニメーションもやっていきたい」
武「作品のジャンルにはこだわらない。面白ければ何でも」

☆日常について
石「どうすればこの作品が面白くなるか、作者のエゴを出さずにどれだけその作品の世界観を楽しんでもらえるかを考えた」
石「第2スタジオに『愛(?)』という言葉を貼ってある」
石「一貫した物語。原作は一話完結のようでいて、次第にキャラクター同士の関係性が生まれてくる。そのあたりを活かしたいなあと思った。構成会議は二転三転どころか五転六転だった」
武「(複数話の流れを大まかに決める)構成会議はふつう1〜2回でまとまるのだが・・・」
石「石原(立也)監督は、みんなを率いていた」
武「(面と向かって)指を差されたのがイヤだった。リアルで指を差されたのは初めてだったから」

けいおんの演出について
石「山田(尚子)が引っ張ってくれる。山田の人を見る視線、キャラクターへの視線がそのまま作品になっている。ちょっとした仕草や空気感を大事にしているのが面白い」
武「(山田監督は)キャラへの視線が深いなあ」
木「最終フィルムのチェックをしていたら、今日はここに来ないでおこうかと思った。ほんとにもう(キャラクターが)すごく可愛い。山田は苦労を感じさせなかった。キャラクターデザイン担当の堀口(悠紀子)さんもすごい」
武「キャラが生きている」
木「ドキュメントのようだ」

☆アニメーター志望者に対して、絵の練習について
木「まず『描くことが好き」なことが大切。白紙に向かってイメージを浮かび上がらせること。作業を続けていたら時間の経過を忘れてしまう。それは苦痛なことではない。経験や知識よりも絵に向かうことが大切」
武「写真の模写など。短い時間(10分、5分、と徐々に時間を短くする)の間に絵を仕上げるトレーニングをしている」

☆お気に入りのキャラクターについて
(3人ともコメントなし)

☆印象に残っていること
石「初演出だった『ハルヒ』。長門と朝倉が戦うくだりを手がけていたとき、TV放映までの締め切りが迫っていたので、木上さんに徹夜させて下さいと申し出た。木上さんは一旦家に戻ってから、自分が作業を終わらせるのを待っていてくれた。朝の4時頃、朝焼けの中をかっこよく帰っていった」
木「覚えていない・・・」

☆京都で好きな所
武「ジュンク堂かな(笑)。お寺や神社を見て回るのは好き。嵐山の近くにある天龍寺はお気に入り」

☆実写とアニメーションを比較したときの「得手・不得手」について
石「アニメーションの良さは、それが『絵』であること。魅力も弱点も『絵』であることだが、その弱点を克服して実写に負けない作品をつくれるか、見た人の印象につながっていくか、を考えている」
木「視聴者が何を見るのか。『アンパンマン』が素晴らしいのは、視聴者に伝えたいことが整理されているところ」

けいおんについて
武「唯たちが『生きている』様を見て下さい」
石「今までTVシリーズを見てきた視聴者には、きっと喜んでもらえるはず」

☆次回作について
武「おそらく、近々発売されるアニメ雑誌に載るかも。キーワードには『み』がつきます」

☆最後に一言
武「まずは当社の作品を見ていただければ、と思います」
木「温かく見守っていただければ、と思います」
石「視聴者が『見て良かった、明日も頑張ろう』と思える作品をつくろうと思っています」

☆3人退場
BGMは『日常』の前期ED曲「Zzz」。