『氷菓』19話について。
以下、メモ的に。
- 原作4冊目『遠回りする雛』からの短編。
- 今回の登場人物はホータローと千反田さんのみ、ロケーションは部室のみ。
- 放課後に流された校内放送という、たったひとつの情報を手がかりにその背後にある事件を2人が推測してみる趣向。
- 話の流れはさておくとして、今回は千反田さんの表情や挙動が面白かったです。
ふくれっ面、ジト目、ぷうっ!
- 腫れぼったい目、訝しげな顔つきといえば、よく摩耶花がこういう表情をホータローに見せるのだけど、千反田さんは珍しい。
- 右端のカットは「きな臭い」の「きな」がどういう意味か興味を持ったところ、ホータローに軽くあしらわれて「ぷうっ!」とむくれるところ。
- 原作には(絵はもちろんのこと)そういう仕草の記述もないのでアニメ版の演出ですね。
- 前話「連峰は晴れているか」は原作未読だけど、ホータローが夢想するタンデムのくだりとか、恋愛っぽいムードを匂わせるのはアニメの演出かと思う。
恋に落ちる2人?
- ホータローの推理に疑問を感じた千反田さんがぐいっと詰め寄る。
- 自然と口元も急接近。
- 他に誰も居ないのに恥ずかしがる2人。
- 千反田さんがホータローの前で明らかに恥ずかしそうな顔をするのは、文化祭のコスプレ写真以来か。
覗き見るようなカメラアングル
- 部室にあるスチール棚の後ろから。
- この角度から見ると、千反田さんの接近具合はかなり怪しい(通りすがりに壁新聞部あたりが見ていたら次号のネタにしたくなるショットなのでは・・・?)。
- 千反田さんが急接近する一連の描写はアニメ版の演出。原作にはない恋愛要素を加味しているようだけど、劇中で(どっちがどっちに惚れている的な)直接的言及はないのでギリギリ「ほのめかし」のレベルに留まっていると思う。
- 20話「あきましておめでとう」でもホータローと千反田さんが二人きりになる場面がある(というかクローズアップされる)はずだし、果たしてどう見せていくのやら。
その他
- 登場人物・ロケーションともに最小限に抑えた地味なエピソードだけど、犯罪事件を織り込んでいるところは古典部シリーズにしては珍しい趣向。
- 同じく米澤穂信作品、主人公たちが犯罪事件により深くかかわっていく「小市民シリーズ」との違いを比較してみるのも面白いかも知れない。
- 限られた情報から推理を試みる趣向で言えば『春期限定いちごタルト事件』中の「おいしいココアの作り方」と似ているかな。
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