京都音楽博覧会@梅小路公園

9/23に行ってきました。
音博のことは以前から聞いていたけど鑑賞は今回が初めて、京都に住んでいながら梅小路公園に足を向けたのも初めてでした。JR京都駅から西へ歩くこと10分あまり、気がつけば線路沿いは行列ができていて、入場者用のリストバンドを入手するまでがじれったくもありました。が、なんとか開演の12時には間に合った。
以下は出演順にメモ的な感想的な。

小田和正

テレビやラジオ経由でしかその歌声を聞いたことがなく、自分にとっては縁遠い存在だった人ですが、1曲目「東京の空」のピアノ弾き語り、ゆっくり語りかけるように、ひとフレーズずつ息を切る歌い方、これでグッときてしまいました。
くるりフジファブリックの一部メンバー、そして細野晴臣さんが加わっての「風をあつめて」は自分にとって大きなサプライズでした。かねてからはっぴいえんどが好きだったこともありますが、小田さんの高音ハーモニー、元の歌メロをちょっとフェイクした輪唱(?)の趣向もあり、聞き慣れた曲でありながら新鮮な印象を受けました。
また、小田さんひとりでのギター弾き語りによる「たしかなこと」。今年の震災に関係するMCが入ったせいでしょうか、苦しんでいる人や悩んでいる人、多くの人々へ向けた応援歌と感じられました。自分には馴染みの薄いアーティストではありましたが、上手い人の歌には説得力があるんだなあと改めて実感。

10-FEET

フードコーナーに立ち寄っていたのでほとんど聞けませんでした、すみません。京都出身の3人ユニット。途中でつじあやのさんがゲスト出演していた模様。最後のほうだけ聞いたけどかなり盛り上がっていました。

石川さゆり

小田さんと同じく、この人もこういうフェスの機会がなければ生で歌声を聞くことはなかったと思います。着物姿で登場して1曲目は「ウィスキーはお好きでしょ」。やや自嘲的な(?)MCを挟みつつもオーディエンスの反応は上々、女性客から「かわいい!」との声も飛び、なんとも微笑ましい光景でした。
シンプルなアコースティック編成のバックミュージシャンを従えて「津軽海峡冬景色」や「天城越え」などの有名曲も良かったです。張りのあるボイスが聞いていて気持ちよかった。ラストのナンバーは奄美大島の民謡を元にしたという「あさばな」という曲、演歌とはちょっと違う雰囲気のコブシ回しもあり、興味深いものでした。

フジファブリック

一応通して聞きましたが・・・すみません、このアーティストについてはほとんど予備知識がないのであまり書くことがない。サポートのドラマーを加えた4人編成。印象は悪くなかったです。

細野晴臣

5月の大阪城音楽堂では6人編成での演奏でしたが、今回は高田漣さん(スライドギター、マンドリンなど)とのデュオ形式。最初が「恋は桃色」と「ラモナ」。それから大阪でも聞いたクラフトワークの「Radio Activity」から「ロンサム・ロードムービー」のメドレーなど。
その後、くるりのメンバーが加わっての「香港ブルース」、岸田さんが三線を担当する「Roochoo Gumbo」と『泰安紀行』からのナンバーで締め。新しくくるりに参加した女性の方(トランペット担当)による沖縄風お囃子が上手く決まっていました。台風が去ってからずいぶん涼しくなったものの、日差しが出るとまだ暑い昼下がり。細野さんのゆったりしたナンバーは本当にしっくり来ますなあ。5月の大阪ライブはあいにくの雨模様だったこともあり、今回は充分に満喫できました。

マイア・ヒラサワ

この方についてもほとんど予備知識なし。スウェーデン出身で現在は宮城県在住とのこと。アコースティックギター、キーボード、バリトンサックスの3人編成。特徴のある高音ボイス、節回しはエディー・リーダーに似ていると思いました。

斉藤和義

ギター1本での弾き語りスタイル。
昨年ヒットした「ずっと好きだった」に続ける形で原発批判の替え歌「ずっと嘘だった」の披露には少し驚かされました(まさかこの曲を生で聞けるとは・・・)。
斎藤さんの声には強い説得力があり、聞いているとぐんぐん引き込まれていく感じでした。ただ、その説得力ゆえに歌のメッセージをそのまま全肯定しちゃうのもどんなもんだろうかと内心複雑な思いにもかられました。歌や演奏のパフォーマンスを評価したい気持ちと歌の内容を吟味したい気持ちとが自分の中で交錯しているというか。個人的には(いつ実現するかは別として)国内の原発は停止させるに越したことはないと思っているんですけどね、別に「この歌を聞いたからそう思うんだ」というのではないよと言いたくなる気持ちもあり、難しいなあ。
その他には、ネットツールの普及した現状を題材にした新曲「うさぎとかめ」や「歌うたいのバラッド」など。

くるり

手元には新旧のベスト盤が2枚あるんですが、もっと聞いておればよかった・・・。
曲目の記憶もおぼつかないのですがセットリストは以下に引用いたします。

くるり
奇跡
旅の途中
砂の星
BABY I LOVE YOU
京都の大学生
いっぽ
バンドワゴン
おはら節
ブレーメン
宿はなし
リバー
(w/TAKUMA(10-FEET)、フジファブリック細野晴臣、マイア ヒラサワ、斉藤和義
くるり 5周年を迎えた主催の音楽フェス「京都音楽博覧会」無事終了!! mFound 音楽情報

個人的には「京都の大学生」と「おはら節」、ラストに披露された「リバー」が良かったです。

まとめ

ステージは1ヶ所だけなので、大規模な野外フェスのように「次はどのステージに行こうか」と迷ったり時間配分を気にする必要がなく、割と気楽に楽しめました。ただ、フードコーナーからステージまではそこそこ距離があるので、買い食いなどしているとやや時間を損した気にもなりますが。また、近隣に住居があるため公演の外に届く音量への配慮をしているのでしょう、どのアーティストもアコースティック楽器中心の編成です。