『ハレルヤオーバードライブ!』5巻

アニメイトで入手。

ハレルヤオーバードライブ! 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

ハレルヤオーバードライブ! 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

表紙は、上級生バンド「メタルりかちゃん」の愛葉さん&タンポポちゃん。ケンカをしても「あいぽぽ」の絆は最強です。
2人のうち愛葉さんはこれまで脇役の印象が強かったですが、この巻では、愛葉さんがメインとなって動くエピソードがふんだんに出てきます。
愛葉さんといえば巨乳ちゃん、いつものお約束としておっぱいネタがそこかしこに見受けられるんですけれど、これまでから彼女はお色気要員や美人キャラではなくて、ちょっとモッサリしているけど、要所要所でムードメイカー的な部分を発揮しているキャラクターだと思います。
今回は、小雨たちの「ティアドライブ」に電撃加入したり、タンポポちゃんと一時的に険悪な関係になったり、いろいろ波乱要素はありますが、ムードメイカーであり頼りになるお姉さんとしての側面が見えてきて好感が持てました(ちょくちょく披露するS要素も健在で、小雨は毎回その犠牲者になっていますが・・・)。
お姉さんといえば、前巻ラストに引き続いて愛葉さんの妹・若葉が登場します。この子も姉と同じくギター少女ですが、とある事情からバンドをやめて楽器からも遠ざかっていた様子、そんな若葉を「ティアドライブ」に参加させるべく、やさしく(そして力強く!)後押しする愛葉さんの姿も印象的ですね。満面の笑顔に癒されます。
若葉のほかには、楓というキーボード担当の加入話もあり、降って湧いた「校内ゲリラライブ」の話もあり、軽音部をつぶそうとする生徒会長の思惑もあり、小雨たちの「ティアドライブ」はまだまだ不安定なままです。
前巻でのライブ回で、冬夜が小雨の存在を一応認めた流れを受けて、5巻では従来の三角関係(小雨・ハル・冬夜、あるいはハル・小雨・麗*1)はかなりフェードアウトしています。また、ダメダメな小雨が演奏中に奇跡を起こすパターンの反復もなく、その代わりに愛葉さんのフィーチャーあり、新キャラの登場ありで、作品の視点が少しずつシフトしているのが感じられました。小雨をメインとしつつも、だいぶ群像劇っぽくなってきたと思います。
この作品については、以前から「3年生のハルさんが卒業したら・・・」という懸念がつきまとっていたのですが、今回のように新キャラを続々と投入していくことで将来の世代交代は割とスムースに進められるのかも知れません。まあ、現時点の小雨たちは1年生の夏休み前ですから、まだまだ先のことになりそうですが。
連載再開後の『けいおん!』もそうですが、まだまだバンドとしての形や人間関係が見えてこないだけに、下級生バンドのほうへ期待したいところもありますね。次巻も楽しみです。

*1:とはいえ、5巻の前半では、ハルさんの方が小雨に惚れてしまうシークエンスもあります。