台湾よもやまばなし

旅行日記にかきそびれたことを少し。
最初に到着した桃園空港でいきなり体温計を耳に当てられたときはビックリしたが*1、その後もホテルや博物館に寄ったときも1秒くらいで測れる体温計を耳や額にかざされた。台湾ではインフルエンザ対策にかなり神経質のようだ。ぼく個人の考えでは、今回の新型インフルエンザは弱毒性だから、仮に罹ったときは運が悪かったとあきらめるくらいの気持ちでいるのだが、なにせ台湾は小さな島国、ウイルス全土にが広まるのは早いだろうし、外国から来た旅行客があっちこっちと飛び回って病原体をまき散らしてくれてはかなわん!という思いが日本以上に強いのかも知れない(とはいえ外国人だからと白い目で見られることもなかったが)。
それから、街中でマスクをしている人の姿も多かったですね。また、若い子たちのつけているマスクは医療用の白や水色ではなく非常にカラフルだった。花柄やパステルカラーは女の子用、シックな黒やグレーは男の子用、ざっと見た印象ではそんな感じ。どうせマスクをするのならファッションとして楽しもうということなのかどうか(そのうち、日本でも流行るかな)。もしかすると勝負下着ならぬ勝負マスクなんてものがあったりするかもしれないな(笑)。
何度も台湾旅行をした人ならご存じだろうが、地下鉄で使う切符は紙製ではなくプラスチックのコイン型である。

これをICOCASuicaと同じように自動改札口のセンサーにタッチさせて通過する。駅を出るときは自販機の硬貨入れ口風のスリットに入れると回収される。手元にコイン型切符は残らない。
ではなぜ、日本に帰ってきたぼくの手元にあるかというと、わざわざ券売機に行くのが面倒だと思って「まとめ買い」してしまったからだ。当然ながら台湾地下鉄の切符も日本と同じく当日のみ有効、次の日には使えない。今となっては良い記念品ではあるけれど、切符のことについて何も知らずに買ってしまったぼくがバカでした。まあ、そういうわけで一回ごとに券売機に並ぶのが面倒な人はプリペイドで後からチャージ可能な「悠遊卡」を購入したほうが良い。
他の人が書いた台湾旅行話をちらちらと覗いてみたところ、高雄(カオション)のことを「高尾」と誤記している文章がいくつかあった。ここでそれを名指し批判するつもりはない。ただ、驚いたのは「台湾 高尾」でググってみると何と212,000件もヒットするのである。単なる誤記にしては多すぎやしないか。
まあ、もともと先住民の言葉だった「打狗」を日本人がそのまま当て字式に「高雄」と表記した経緯があるので、どっちみちタカオなら高尾でもええやないかという論法も成り立つような気もする。先住民的な見地から言えば中国式発音であるカオションのほうが不自然だとも思える。とはいえタカオという発音が現代の台湾でどれほど通用するのだろうかという疑問もある。台湾は多民族国家だからなかなか一筋縄ではいかない。
台湾では駅や電車内のアナウンスが数ヶ国語に分けて流される。後で知ったのだが、どうやら北京語・客家語台湾語の3種類に英語をプラスした4ヶ国語のようだ。中国語初心者のぼくにはさっぱりのアナウンスではあるが、同じ地名でも微妙に発音やアクセントの違うことは分かる。
さて、3日目に瑞芳から台北に向かう電車の中にはこんな表記があった。

列車接近時,擴音器會以國臺客語發出“火車來了,請起快離開平交道“的警告聲。

添付イラストから察するに、電車の踏切内で自動車を動かせなくなったときに「電車が来ました、早く踏切から離れて下さい」と周囲に警告をする際に北京語・客家語台湾語のいずれかを使え、ということらしい。ここに先住民の言語は含まれていない。

*1:空港の検疫コーナーではサーモグラフィーも用意していて、少しでも体温の高そうな人が通りかかったら即座に呼び止められるシステムのようだった。