『グッド・バッド・ウィアード』

TOHOシネマズ二条で鑑賞。財宝の在りかが書かれた地図をめぐって「善人・悪人・変人」のガンマンたち(+その他大勢)が旧満州を舞台に争奪戦・銃撃戦を繰り広げるという韓国版ウェスタン活劇。元ネタはセルジオ・レオーネの『続・夕陽のガンマン』。
まあそれなりに面白かったが、見ていて気になったのは、ガンマンたちの追い求めているものが地図なのか財宝なのか、なかなかハッキリしないところ。さらに地図の内容をちゃんと把握している奴がどれだけいるのかも未知数。とりあえず敵っぽい奴を見かけたらバンバン撃ちまくる、というのでは話の流れが分かりにくい。普通に金銀財宝の場所を提示しておけば分かりやすかったのに。
本作での善人役、『続・夕陽のガンマン』でいえばクリント・イーストウッドのポジションを務めるチョン・ウソンはなかなか男前なんだけれど、いかんせん変人ソン・ガンホの面白キャラが目立ちすぎているのでやや影が薄い。なんせガンホ兄さんはその言動のひとつひとつにボケ入ってるから笑わずにいられないわけで。悪人役のイ・ビョンホンはナルシストでキレやすいキャラ。ガンマンというよりもヤク中のロックンローラーのように見えたが『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』の役どころとも少し被っていて違和感はない。
作品終盤、男たちが馬やバイクで砂漠を疾走していくシークエンスは理屈抜きで格好良かった。ラストの三人対決はオリジナルを意識しすぎて力が入っちゃったかな。登場する日本軍将校にイシハラさんというのが出てくるがおそらく石原莞爾から取った名前なのだろう。ともあれ、彼を含めて日本軍の面々はキャラとして全く確立しておらずたんなる背景扱い。このあたりは日本人観客としてやきもきさせられるところではある。ただ、間島をめぐる中朝の対立は日本ではあまり知られていないかも。
間島 - Wikipedia