『けいおん!』大学編12(きらら)

昨日「まんがタイムきらら」6月号を入手しました。前回のインターリュード的な帰省エピ、そして休載をはさんでいよいよ学園祭間近の話です。冒頭のイラストは大人っぽい装いの幸ちゃん、アニメ版1期ED風でもあります。所持楽器はやっぱりギブソン(エピフォン?)のサンダーバードでした。
平沢ママが再登場する夢の話から始まって

(1)以前から見られた登校前の唯と晶のやりとり
(2)他の部員たちによる唯晶評
(3)そして再び唯と晶が登場して学園祭告知看板づくりでのコミカルなドタバタ劇

とまあ、唯と晶が通しでメインとなる展開ですね。
(1)については特に感想なしですが、先に晶が表明していた恩那組のプロ志向が(2)で菖と幸によってあっさり否定されてアレレな印象、ともあれこの2人にとって晶は「いじり甲斐」のある子で面白いから一緒につるんでいるというのが真相のようです。唯と晶を対比する見方も伺えますが、唯はそこまでひどい扱いを受けていなかったですよね。
個人的な印象ですが、晶と対比させるとすれば、唯よりもむしろ高校編の梓ではないでしょうか。どちらも一見しっかりしてそうだけど、より近しい仲間から見れば全然そうじゃない、つまり澪・律・紬たちとは違う印象をもっている仲間がいるという類似の構図が伺えます。
唯からすれば「一見しっかりしていて気が強そう」な子が個人的関心、コミットの対象になるのかも知れませんね。自分が近寄っていくと表情が変わる、動揺する、そうしたギャップを楽しんでいるようでもあります。
(3)は(1)と(2)の流れを受けたものですね(やはり学園祭は制服コスプレで臨むのか・・・)。
さて、数日前から聞いていたことですが、次回で大学編は完結なんですよね・・・この経緯について

  • 当初から、この連載は映画版のディスクが発売されるまでの(場繋ぎ的な)予定だった
  • もともと作者が連載再開に乗り気ではなかった

などの推測をちらほら見かけます。
ただ、場繋ぎという見方については、どう考えても1年目の学園祭で幕を引くのは作品として不自然だと思います。もし当初から1年限りの連載予定なら、時系列を無視した「こぼれ話」的な内容でつないでいくほうが(変に読者の期待を煽らない意味でも)良かっただろうし、卒業後のエピローグとしてもやはり中途半端な終わり方としか思えません(高校編も同時期に完結となればそちらの違和感のほうがずっと強いですが)。
作者が乗り気でなかった、あるいは途中から意欲が減衰した、という可能性はあるかと思います。それでも、一度引き受けたからにはせめて2年は続けてほしかった、こういう幕切れは読者として残念、新キャラだってまだまだ活かせる余地はあったろうに、というのが正直な思いです。雑誌の予告ページには「グランドフィナーレ」の文字がありますけれど、これが大団円的な締め方とはどうにも納得できない、道半ばという印象のほうが強いです。
再開後の連載について「大学編と高校編の同時連載には最初から無理があったのでは」との意見も見かけます。確かにそうなのかも知れません。しかしながら、昨年春から毎号追いかけていた身としては、そういう見方であっさり納得してしまうのはちょっと違うかなという個人的印象、それはこの作品のファンであることを自分で否定するような感じがあり、そんな物分りの良いコメントを吐く前に言うべきはやっぱり「残念だ」じゃないのかなと思ったりしてます。
とはいうものの、自分が「けいおん」を知ったのは原作コミックからではなくアニメ経由であり、そのアニメもリアルタイムで視聴したのは2期からという、ファンとしては後発組なので、そんなにわか者が何を偉そうにと言われれば言い返す言葉もありませんが、それでも他の作品と比べても格段に好きで注目度が高かったのは事実、その作品に終わりを告げられるとなれば、やっぱりつらいものです。
ともあれ・・・
この大学編で最大の収穫は唯と晶のつながりだろうし、そこである種の総括をしてみようというのが今回の流れだったようです。次回では、かねてから「学園祭が終わるまで会わない」宣言をしていた唯と梓の再会はあるのか、まさかその伏線をスルーすることはないと思いますが、その前に高校編の行方も気になるところです。