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『けいおん!』大学編11(きらら)

本日「まんがタイムきらら」4月号を購入、今回は唯の帰省回。
少し前まで、高校編の方が大学編よりのんびりした時間の流れに思っていたのですが、2編とも夏合宿が終わって時間の差がなくなってきたところで、うまい具合に平沢姉妹の再会へとこぎ着けましたね。先の高校編で触れられていた憂の夏期講習に関する言及もありますし、かき先生、このエピソードを出すタイミングを前からずっと狙っていたんでしょうか。
大学編・高校編のキャラを鉢合わせさせるのは、夏合宿じゃなかったら秋の学園祭シーズンだろうと予想していたので、今回の姉妹邂逅エピソードはムギちゃん姉妹(?)の話に続いてサプライズでした。
プライズといえば、大学編スタート以来出番のなかった和ちゃんの登場も。
話し振りから察するに、和も自宅通学ではなく大学の近くに下宿しているようです。再会した唯に留学の話を切り出せなかったのは、自分のことでいっぱいいっぱいになっている唯に余計な心配をかけたくないという思いもあるのでしょうし、自分から平沢家を訪ねていった経緯を考えれば、海外旅行経験が豊富であろう唯の親が(帰省中の)相談相手としてはベストだと踏んでのことでしょうね。
もうひとつのサプライズが平沢ママの登場。
印象的なのは、母親の登場のさせ方が、大学受験の時と違って全然「とってつけた」ような感じじゃないんですね。くだんのエピソードでは純粋にサプライズを狙った演出だと思いますが、今回はとても自然な登場だったし、前からずっと出ていても不思議ではない感じでした。和が平沢姉妹と幼なじみで、彼女が昔から気軽に平沢家に出入りしていたことを踏まえているのも良かったと思います。
それから、唯の挙動も面白かったです。
帰省時の出で立ちは、花柄の上下に、ハンチングベレー、サンダルと、なかなか個性的なコーディネートです。いつもとは雰囲気の違った装いで家族をびっくりさせてやろうと考えていたのでしょう、そこが何とも子供っぽく可愛らしくもあります。何となれば家族や友達に甘えたくなる幼さも健在です。
とはいえ、唯も少しずつ変化を見せています。

唯「私たちもこの子達に負けないようにがんばってるんだ!」
和「え・・・まさか唯達もプロ目指してるとか言わないでしょうね?」
唯「うーん・・・プロってものが何なのか分からないし」
唯「そもそも目指したら簡単になれるものでもないだろうし・・・」
唯「でも音楽やるのは楽しいし、ずっと続けたいし、続けたらどうなるのか知りたい!」
和「・・・前しか見えないのね、唯は・・・」
(4ページ目の会話より引用)

唯たちが今後プロミュージシャンになる流れはおそらくないと思いますが、少し前のエピソードでは「(自分たちにとっての)音楽って何なんだろう?」と真剣に思いを巡らすくだりがありましたし、晶に対してはライバル意識をあらわにする描写も幾度か見られました。高校時代なら「毎日が楽しければそれでいい」と考えていたことでしょうけれど、不確定ながら将来のことを意識するようになったと、そのあたりがしばらく会っていなかった和を介して見えてくるのが新鮮でした。また、唯の発言をきっかけにして和の心境が変わっていく流れもなかなか憎いですね。
あと、お金がもったいないから髪を切りに行けない・・・のくだりも変化といえば変化ですね。はたして倹約家になったのか、無駄遣いが重なって美容室に行く資金がなくなったのか、よく分かりませんが。
今回は唯が帰省中のエピソードなので、軽音部の仲間は出てこないものの、大学編としては珍しくキャンパスを離れたシチュエーションでしたし、憂、和、そして母親と、それぞれのキャラクターが単なるサプライズ要素に留まらず、親近感を覚える人物として描かれていたところに好感を持ちました(個人的には連載再開以降でかなり上位に入る話数です)。夏休み以降は、恩那組ほかの新キャラも身近な印象となるよう工夫を重ねていただきたいところです。