『けいおん!』大学編10(きらら)

先日「まんがタイムきらら」3月号を入手しました。この前の高校編と歩調を合わせるかのように合宿ネタのお話です。もっとも、高校編での合宿回は9話目だったので(これまで高校編より進行ペースが早いと思っていた)大学編のほうが一歩遅れる形になりました。
また、高校編の合宿先はいつも通りの琴吹家別荘、それも一番大きなペンションだったのに対して、大学編は山間の割と地味な温泉旅館でした(部長さんのお気に入りみたいですね)。というわけでムギちゃんのお嬢様パワー今回も封印。当然ながら高校組とのニアミスもありません。
今回の目玉は、各バンドのメンバーをシャッフルした形での練習。高校時代とは違って複数のバンドが所属する部活ならではの特色を出してきました。HTTの4人には初めての試みですね。まあ、唯はいつものマイペース指向ですが、興味対象や話題がころころ変わっていく落ち着きのなさは、アニメ版の演出を織り込んでいるように思えました。そして澪は、またしてもコスプレ好きの年上女性に悩まされることに(笑)。
あと、りっちゃんが練習時の失敗や自己フォローの失敗を気にしているところは、9話目のお悩み回からの流れとして効いていますね。大雑把でテキトーな性格のようでいて、けっこう気にするタイプなのが今回の話からも感じられます。
残念なのは「紬・幸」組。大学編ではどちらも比較的目立たないポジションなのですが、こと幸ちゃんについては既出の「背が高いのを気にしている」描写が反復されるのみで、これまでキャラクターとしての露出が少なかった弱みがここでモロに出てしまいました。
個人的には、1回生7人の誰がメインになっても話を回していけるのが理想だと思っているので(他作品で言うなら『ゆるゆり』的な感じ)新キャラの中では晶だけが唯一「いじられ役」として目立っている現状がこのまま維持されていくとすれば、せっかく作ったキャラが活かせずもったいない・・・と唸ってしまいます(高校編のスミーレや奥田さんはしっかり物語に馴染んでいるのに)。
一度、思い切って恩那組をメインの回を設けてみるのもいいかと思いますが、作者さんが新キャラ3人を話の中でどういう位置づけにしたいのか(HTTと対等のメインキャラクター/あくまでも脇役)まだ見えてこないのでちょっと歯がゆいところ。まあ、脇役だとしても幸ちゃんにはもう少し出番を与えてほしいです。このまま影の薄いおっとり美人キャラで終わらせるとすれば、やっぱりもったいない。
最後は文句ばかりになりましたが、この大学編もあと少しで1年を迎えます。2話ほど小ネタ回を挟んで文化祭エピソードに突入でしょうか。単行本化の話もそろそろかな。