『けいおん!』高校編9(きららキャラット)

先日「まんがタイムきららキャラット」3月号を入手しました。
前回の話でスミーレの入部に関する懸念が杞憂に終わったことを受けて、満を持しての合宿回・・・そして水着回でもあります。
一瞬にして日焼けモードになるのはお約束として、今回の梓は、いつものお子ちゃま水着ではなくビキニなんですね(おお!)。華奢なちびっこ体型については致し方ないにせよ、こと後輩には幼いキャラだと思われたくないのでしょう。そういう背伸び意識がまた可愛いところ。
そして、スミーレは「姉」に負けず劣らずの巨乳ちゃんである様子。そういえば、プロポーションにかけては山中先生も負けず劣らず・・・のはずですが、水着姿の披露は今回もありません。そうか紫外線が怖かったのか(サングラス+マスクの装着はアニメ2期3話からの引用か?)。
そして今回は、梓のお悩み回でもあります(今までの合宿エピソードでは、特定のキャラクターの悩みや心の内側を見せる趣向はなかったですね)。
1つ目が部長としての悩み。

山中先生「あのりっちゃんでも出来たんだから!大丈夫よ!」

先生の指摘があるように、この軽音部で「部長」というポジションがさほどの重みをもつとは思えないのですが、梓は根が真面目なんですね。まあ、部長の肩書きを措いても、軽音部での活動がいちばん長いのは事実ですし、何かにつけ「自分が率先して行動しないと!」と気が焦るのも仕方ないところでしょうか。
2つ目がボーカル担当としての悩み。
やっぱり梓は音痴の設定なんですね・・・新歓ライブでの失敗もありましたし、演奏者としてのキャリアは誰にも負けないけれど、歌い手としてはまるっきりの初心者の梓、彼女にとって高校最後の1年は過酷な試練の年になりそうです。
今回の合宿では、梓が山中先生のボイトレを受ける描写もありました。そういえば、かつての唯も(ギターとボーカルを両立させるために)山中先生の特訓を受けていましたが、短期集中でスキルアップできる唯とは違って、梓は地道にこつこつ努力を重ねていくタイプだと思うので、今後その差をどう描いていくのか気になる所です。
最終ページでは、奥田さんが新曲「ANSWER」の歌詞を披露しています。
連載再開後、大学編・高校編のどちらにも新曲披露のエピソードがぜんぜん出てこなかったので、非常に嬉しいサプライズでしたね。もしかすると作者さんは「アニメのほうが一段落したことだし、曲がどうこうの話を出すのはもうやめようかな、読者に変な期待をさせるのもよくないから」などと考えているのでは・・・と勝手に想像していたのですが、ぼくの完全な誤解でした。ごめんなさい。
考えてみれば、あの「ふわふわ時間」もアニメ開始前からコミックの中で歌詞が紹介されていましたね。その流れでいけば、今回の歌もいずれしっかりした楽曲として実を結べば・・・との淡い期待をしてしまいます。つまりは3期に期待と(高校編限定でもいいので)。
アニメの話はさておいて、歌詞作りについて言うと、これまで澪や唯が自分自身の感じたことを歌詞につづっていたのに対して、奥田さんは他人(梓)の思いを忖度することで歌詞を編み出しているんですよね。今までにない新鮮な切り口です。また、歌詞の内容からこれまでになく内省的な印象も受けました。
入部以降、周囲への鋭い観察眼をそれとなく披露していた奥田さんですが、今回のエピソードでやはりおそるべき素材だと確信しました。秋の文化祭ではどんな立ち振る舞いをするのか楽しみです。
夏休みを迎えたとなれば、そろそろ受験や進路決定の話題も出てきそうですね・・・