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2011.9終了アニメの感想

メモ的に。

BLOOD-C

主人公周辺の人間関係が希薄、小夜が孤軍奮闘するためのモチベーションが不明、古きものという存在がアプリオリ的に敵視されている経緯も不明、要するに戦闘シーンが見せ場としてしか機能していない、薄っぺらさを感じました。
この作品に対して「茶番」という批判をよく見かけましたが、たしかに化け物退治は茶番ですね、しかし化け物退治という「ゲーム」を包括する「メタゲーム」をほのめかす描写は初期の頃から盛り込まれていたわけで。ただ、11話以降のネタばらしが始まるまで明らかにならなかった。このあたり、もう少し工夫できなかったか、と思います。
たとえば「まどかマギカ」も化け物退治ゲームがメインとなる物語ですが、そのゲームの構造が抱えている理不尽さを、話数を重ねるごとに、少女たちの葛藤を通して次第に露わにしていく趣向があった。その点良くできていたと思います。
メタ構造が露わになった最終話で展開されるジェノサイドの殺伐さ、この後「ゲーム」のキャラクターとして操られていた小夜が「メタゲーム」の仕掛け人への復讐を果たしたところで、そこに何の救いがあろうか、そういう割り切れなさも感じました。
来年6月には映画版が公開されるとのこと。

日常

そこそこ面白い作品だったけど、当たり外れの差も大きかったですね。ぼくとしては当初からギャグアニメという意識で見ていたせいか、笑えるエピソード・シークエンスが少ない回だと単純にフラストレーションがたまってしまう作品でした。
このアニメが単にギャグだけかと言えばそうでもなく、ハートウォーミングな演出もそこそこあるんですが、その部分にはいまいちハマれなかったなあ。
2クール目に入って、ロボット少女・なのが高校に通い始めた直後は、それまでの細切れショートコントが影を潜めて、ドラマ要素が(一時的にですが)増えました。しかしすぐに従来のショートコント主体の演出に戻ってしまったので、個人的にはあの時点で期待を外された感も大きいです。
ドラマ性という意味では、校内の色男・笹原先輩の介在する女子たちの人間関係、OP曲歌詞のテーマとなっている「カタオモイ」や「友情」など、そういったものがドラマ的な演出を活かして前面に出せていたなら、また違った風合いに仕上がっていたかも知れません。

ゆるゆり

これもギャグ主体のドタバタ劇。監督とシリーズ構成が「みつどもえ」と同じ太田雅彦さんとあおしまたかしさん。百合要素を匂わせているものの、ギャグ作品と言ってもいいのでは。
個人的には。毎回タイトルコールを担当する主人公あかりが、その平凡なキャラクター性ゆえに、徐々に隅へ追いやられていく不甲斐なさを通して、シンパシーが徐々に湧いてきたのですが。
髪型以外、目鼻立ちのよく似た女の子が多数(レギュラー8人を多いとするかどうかは人それぞれですが)出てくるので、顔と名前が覚えられるかどうかの不安もあったけども、だんだんと個々のキャラクター性が分かってくると面白くなってきました。
「実質主人公」である京子のはっちゃけぶりも良かったし、そのイタさゆえにアバンであかりと不遇を分かち合う羽目になったちなつも面白いキャラクター。
この「ゆるゆり」に関しては興味深い指摘を見つけたので引用。

個人的にはもっと色々な百合作品見たいんですけどね。でも「百合です!」ってかしこまらなくてもいい気がしたりもします。「けいおん!」「ひだまりスケッチ」は百合ですか?って聞かれるのと同じ事で。あのくらいの入り口だとハードルが低くてイメージを共有しやすい。ラブかどうかは別として。
ヒロさんと沙英さんはラブに見えちゃうのはぼくの色メガネです。
どこまで色眼鏡をかけるか、外すか、そこを託されるくらいがらくちん。
「ゆるゆり」みたいに、もっとアニメは気楽に楽しんでみよっかなと。 - たまごまごごはん

色眼鏡か・・・眼鏡といえば千歳ですが、彼女の「眼鏡かけはずし」は「キャラクター相互の関係をどう見るか、百合なのかそうでないのか、それは見る人の判断だ」という暗喩を含んだ演出のようにも受け取れますね。

うさぎドロップ

この作品にはアクの強さがほとんどないけれど、かといって薄味でつまらないわけでもありません。
何をおいても「りんちゃんカワイイ!」ってそれだけじゃないよね、仕事しながら未経験の育児にいそしむ大吉も大変だよね、というのもあるけど、大吉の置かれた状況についてはさほどシリアスな雰囲気も醸しておらず、イクメンがどうとか社会的な問題を脇に置いといても楽しめる、で最終的には「りんちゃんカワイイ!」に戻ることができる。安心して見ていられる。良くできた癒し系ですよこれは。
夏に公開された実写映画版のほうは、変にドラマチックな演出を出していて違和感が強かったのですが、アニメ版ではあえて物語の起伏を出さず、原作に忠実な作りに徹したのが良かったですね。

No.6

舞台は近未来の精巧な人口都市No.6、そこから追い出された少年が、外部から都市のダークな側面を捉え直し、仲間とともに都市解体へ向かっていくストーリー。今年の1〜3月に放映されていた「フラクタル」とよく似ている構造の物語です。
No.6を追われた後、紫苑とネズミのBLチックな関係が目を引くところもあった。それまで一緒にいた沙布についてはちょっと印象が薄くなってしまいましたが、原作ではどういう扱いなのでしょうか。少女が人身御供にされてしまうところも似ている?
原作は全9巻の小説(未読です)。原作を端折ってアニメ化しているのか、ごく一部分だけを引き抜いているのか、よく分からないけれど、やや物足りなさも感じました。

花咲くいろは

スタート時点では、不幸な境遇に置かれた少女が旅館で仲居として働かされ、コワイ女将や先輩たちからビシビシしごかれるだけのかわいそうなお話・・・的な印象を受けてしまったのですが、なんのなんの、個性的なサブキャラクターも多く、話数を重ねるごとに、ギャグありお色気あり、ほのかな恋愛感情の発露もあり、いろいろな要素が楽しめるようになりました。
主人公・緒花を軸にしつつも、他キャストの視点もふんだんに取り入れていて、群像劇として良くできた作品だと思います。ただ、サブキャラの見せるアクの強さがときどきアンバランスに感じられたり、作品独自の造語(ホビロン、ぼんぼる、エニシングなど)についてもいささか使いすぎなのではと思うところもありましたが、このあたりは狙っているのか、わざと外しているのか・・・。
最終話では、愛着のある旅館を後にする女将さんの視点が長めに盛り込まれていたのが強く印象に残りました。この作品は、緒花ではなく女将さんの目から俯瞰的に描いた物語として受け取ることもできそうです。
あと、背景描画がキレイなのも好印象でした。ただキレイというだけでなく、背景に何かを語らせているような、詩情豊かな演出だったと思います。