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映画『ゲット・ラウド』を見た。

昨日見てきました。
ジミー・ペイジ(元LED ZEPPELIN)、ジ・エッジ(U2)、ジャック・ホワイト(元THE WHITE STRIPESTHE RACONTEURS)という、世代・ジャンルの異なるロックギタリスト3人へのインタビュー、スタジオ内でのセッション風景を収めたドキュメンタリー映画です。
インタビューのパートは、各々の軌跡を追いつつも、必ずしも時系列順に並べているわけではないようですが、それぞれの語る言葉の断片から音楽活動への姿勢や、サウンドづくりへのこだわりが垣間見えてきました。

ジャック・ホワイト

デトロイト出身の彼は、ヒップホップやダンスなどのトレンド音楽とは逆行する形で古いブルース音楽に傾倒していたそうですが・・・すみません、ぼくはこの人についてほとんど予備知識がなかったもので、インタビュー部分があまり記憶に残っていません。ただ、映画冒頭のカットに出てくる自作の1弦ギターに見られるように、彼が自分の音楽にプリミティブな要素を求めていること、テクノロジーや電子機材に頼る姿勢を嫌い、ブルース音楽の持つ荒々しい部分を自分なりの表現方法で再現しようとしているスタンスは伝わってきました。

ジ・エッジ

名曲"Where The Streets Have No Name"のディレイ奏法をはじめとして、楽曲ごとにギターの音色を変化させ、どんなギターサウンドが曲にしっくりくるかを徹底的に追い求めるストイックな姿勢が見えてきました。また、ギターコードの構成音を最小限にしぼることで生まれたという"I Will Follow"のイントロリフをスタジオで再現し、3人でそれぞれ異なるコード・ボイシングを重ねていくセッション場面も興味深かったです。

ジミー・ペイジ

少年時代に、当時イギリスで流行していたスキッフルのバンドを組んでいたことに触れていました。スキッフルについては少し前に見た映画『オイル・シティー・コンフィデンシャル』の中でウィルコ・ジョンソンが言及していたのを覚えています。アメリカから持ち込まれたブルースやロックへの人気が高まるまでの時代です。そういえばツェッペリンの3rdアルバム収録の"Bron-y-aur Stomp"にもスキッフルという形容がつけられているようですが。それからセッションプレイヤー時代を経て、THE YARDBIRDS, LED ZEPPELINに至る経緯など。
あと、ツェッペリン時代にスタジオとして使われた屋敷「ヘッドリー・グランジ」も紹介されていました。あの屋敷の廊下といえば"When The Levee Breaks"のドラム録音ですね。ジョン・ボーナムのドラムサウンドがしょぼくならないように従来のブース内録音をやめて、ドラムセットを廊下に移動させ、上階から吊したマイクで録音をしたそうです。おそらく建物の壁に反響した音も拾っているのでしょう、冒頭からものすごい迫力のスネアが聞こえてきます。ギターのみならずバンドサウンド全体を見渡していたプロデューサーとしてのペイジが窺えます。

セッション

先ほど触れた"I Will Follow"や、ジャック・ホワイトの曲でのプレイも良かったですが、作品中盤で披露される"In My Time Of Dying"のトリプル・スライドギターが圧巻でした。同じようにスライドバーを使いつつもエッジのフレーズが他の2人と違ってちょっとブルースから外れたユニークなものになっていて、このあたりも聞き所です。
そしてラストにはアコースティックギターによるTHE BAND"The Weight"。ここでぜんぜん別のアーティストのナンバーをもってくることに違和感を覚える向きもあるかと思いますが、ぼくはこの曲が好きなのでとても嬉しかったです。エッジとホワイトのソウルフルなボーカル、そしてペイジによる味のあるギターソロ。やっぱりペイジはアコギ上手いですね。
いまさら言うのは詮ないことだけど、できることならベースやドラムを加えてバシッとしたバンドスタイルでのセッションプレイも見たかったなあ。むかし関西テレビ渡辺香津美がホストをつとめていた「夢の乱入者」みたいな雰囲気で・・・と叶わぬ思いを抱いたりもするのですが、ともあれ3人とも音楽が好きなんだなあ(当たり前すぎる!)それぞれのスタイルは違えど、決して人真似ではない自分のギターサウンドを追求する姿勢が映像の中から感じられました。
現在、もう輸入盤でブルーレイディスクが出回っていて、その中では"Kashmir"のセッション風景も収録されているようですね。これも映画館の大音量で聴きたかったなあ。低音のリフなんかはズンズンと床から響いてくるくらいだったし。

It Might Get Loud [Blu-ray] [Import]

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