2011年4月スタート(1クール放映)のアニメ感想

まあ、大して見てないんですが。

Aチャンネル

とにもかくにもメイン4人の可愛さが全てですね。
トオルの高校入学から進級までの1年間を時系列にまとめて、季節ごとのイベントを織り込みながら進んでいくキレイな構成になっていました。
けいおんに比べてテーマ性がない、話の中身が薄い、劇中歌(キャラソン?)がうざい・・・といった批判をちらほら見かけましたし、ぼくも少し賛同したくなったこともありますが、見方を変えれば、メイン4人のキャラクター造形が最初から完成していたおかげで、余計な要素を付け加えなくても楽しめた面もあると思います。
個人的には、ほぼ4人しか出てこないバレンタインデーの話が好きでしたね。物語の起伏も少なく、るんやトオルたちを愛でることに特化した作品として見れば、なかなか捨てがたい癒しの一時でありました。黒田bbさんの原作もカワイイのでオススメです。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

この作品もメインキャラクターがよくできていたと思います。
最近の習慣として、アニメを見ながらTwitterに「実況」をすることがよくあるんですが、この作品に関してはテレビ画面に没頭して25分ずっと見入ってしまうこともしばしばでした。6人各々の感情発露、言葉や感情のやりとりにグッと来るし、ヒロインのめんまが泣き出すと思わずこちらも涙腺がゆるんでしまうし、演出も巧かったです。
作品としては群像劇のように見えて、6人の関係性がアンバランスというか、めんまとじんたんの距離感が最後までぴたぴたな部分にどうしても注目してしまうわけで、めんまからすれば「昔のようにみんなが仲良くなってほしい」という思いに偽りはないのでしょうけれど、そんな上手いこと行くんかいな、そもそも昔からみんなの思いはバラバラだったんじゃないか、と冷めた気分になる所もありました(つるこは一番その辺りに敏感だったように見えましたが)。
そういう作品内部のギクシャクした部分が最後まで持ち越されて、最終回で強引にまとめられてしまった印象を受けました。本作と同じく岡田麿里さんが脚本を担当した『放浪息子』だと「みんなの思いが一緒にまとまるなんて絶対にあり得ない」という諦念が作品の底流にあって、そこが不思議な安定感をもたらしていたんですが(そういう部分のキーパーソンが千葉さんでした)この『あの花』は最後にみんながガンガン熱くなってしまって個人的にはそのテンションにちょっと付いていけなかったかな。
もし2クール編成だったら、めんま消失に至るまでのプロセス、メイン6人の心情変化をもっと丁寧に追いかけることができたのではないかと思います。そこに残念さを感じるのですが、物語世界とマッチしたOP&ED曲の歌詞、作品舞台・秩父の情景など、良くできた作品であることには違いありません。小説版もぜひ読んでみたいです。

同じくノイタミナ枠の『あの花』に比べるとやや注目度が低かったようですが、なかなか面白い設定をもった話でした。
主人公が入り込んでしまった過酷な戦闘ワールド、その世界における勝敗の結果が実世界にも確実に影響を及ぼし、一度でも戦闘に加わった者はその身が破滅するまで抜け出すことができない。これは『魔法少女まどか☆マギカ』とよく似た世界なんですね。
ぼくは放映当初からそういう見方をしていたので、最終話で主人公・公麿の力で「金融街」が終焉を迎えた後、多幸的なシークエンスが連発されるのを見て「おお、やっぱりそうきたか!」と内心ほくそ笑んだりもしました。
ただ、この作品の弱点は戦闘においてプレイヤー(アントレ)とファイター(アセット)を分離させたところでしょうか、そのあたりで『まどかマギカ』に比べると視聴者側からキャラクターへ思い入れのできる部分を減らしてなってしまったようです。
また、各キャラクターの人となりや関係性にもう少し時間を割くことができたなら印象が良くなっていただろうと思います。公麿の父親や壮一郎の妹のエピソードも中途半端な描写で終わっていたし(ぼくは、Qが公麿の父親のアセットだと踏んでいたのですが)この作品も2クール編成のほうがよかったかな。