『けいおん!!』BD9巻を見た。

ようやっと、これで終わりか・・・。

番外編3話。
勧誘ビデオ編の25話は原作2巻と、さわちゃんのお宅訪問編の26話は2期21話(卒業アルバム!)と、それぞれリンクしていて、割とこぼれ話・後日談的な色合いが強かったのに対して、未放映の27話は今までのどの話ともリンクしていない、完全に独立したオリジナルストーリーでした。時間的には2期の12〜13話の辺りで、もしかすると一旦ボツにされていたエピソードなのかも知れませんが。
27話には特にサプライズ的な要素があるわけではなく、卒業旅行ということで、HTTの5人が海外行きのプランをああだこうだとダベってるだけの(一応、パスポート申請などの「行動」には出ますが)流れで、大きな事件やイベントはなし。そういうゆるい感じがやっぱり『けいおん!!』だなあと納得させられました。
唯はいつもの天然で、りっちゃんは若干外し気味のボケ連発、ムギちゃんは何かにつけて興味津々、梓は3人に半ば呆れ顔の場面が多くて、澪は・・・やっぱり写真撮影と相性悪いですね。そのあたりはもうお約束になってる感もあるけど。頭の上にお団子作ってる髪型は初めてかな、可愛かったです。
小ネタで笑わせる展開ながら、唯の何気ない発言

「わたしたち、どこだっていけるよ!」
「わたしたちはどこにいっても放課後ティータイム!」

に不思議な説得力を持たせてるところが目を引きます。ここらへんは12話「夏フェス!」っぽいかな。聞いている4人の目が微妙にうるうるしてるのも実質「最終話」ならではの演出でしょうか。ともあれ、この27話に限らず、最終的に唯の言動がみんなをひっぱっていく展開は今までから多かったと思います。アニメ版ではとくに唯が主人公!という色合いが強いですね。
ところで、某まとめサイトで見かけた感想ですが、27話は映画版のプロローグ的扱いなのかも知れないなとぼくも思います。
卒業旅行という設定なら、山田監督のいう「在学中のエピソード」の範疇には一応収まるし、舞台が海外となれば放映済みのエピソードとかぶる可能性も少なくて新鮮味が出てくることでしょう。冒頭で唯がもらした「海外進出」も場合によってはアリ、展開次第では25話の「全米を震撼させた」妄想予告編が正夢になるのかも知れません。
ぼくの予想では、

旅行先で唯が1人はぐれる→たまたま通りすがりの日本人女性に助けてもらう→誰かと思えば紀美さん(DEATH DEVIL)でなぜかホームステイ中→ステイ先の家族はミュージシャン一家で成り行き上現地のライブハウスに招待される→運良く他の4人と合流→ライブハウスで演奏することになる→新曲お披露目→それがねじ曲がった伝言でさわちゃんの耳に入る→全米震撼伝説の誕生

・・・そんな流れもあるかなと勝手に考えています。
でも、2時間の長編作としてというか、ひとつのテーマに絞り込んであんまりド真剣に作り込んでほしくない気分もある。とくに音楽面では。
そもそも『けいおん』の話自体(原作・アニメともに)ゆるい小ネタの積み重ねで出来ているので、そのへんは変えずに活かしてもらいたいですね。仮に海外デビューみたいな流れがあっても、あくまでネタレベルで留めるべき。
たとえば25話の勧誘ビデオでは(普通ならカットされるはずの)軽音部にぜんぜん興味のないいちごちゃんとか食堂のおばさんとかが普通に出てくるじゃないですか、ああいう隙だらけの感じが(ぼくの期待している)HTTらしさですね。
あと、感動とか泣けるとかの部分をモロ出しにされるのも嫌かな。個人的には、20話や24話の「泣かせ」に走る演出よりは、26話で「ふわふわ時間」をバックに3年生が校舎を駆け回るセリフなしのシークエンスのほうがグッと来るので好きなんですね。
おや、ディスクの感想を書くつもりが映画の話になってしまいました。ところでキャストのオーディオコメンタリーの最後で豊崎愛生さんが「またどこかで」と小さくつぶやいていたところに一抹の寂しさを感じましたね。やっぱりTVアニメ版はこれで打ち止めなのかもな・・・と思ったり。