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ロビン・フッド

ロビン・フッドといえば、高校生の頃にケビン・コスナー主演の映画を見に行った記憶があります。どういうわけか十字軍遠征の折に知り合ったイスラム教徒(モーガン・フリーマン)が相棒で、悪い貴族にさらわれたお姫様を救出する話だったっけな。ブライアン・アダムスの主題歌が格好良かったです。
今回の映画は、リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演。
12世紀のイギリスとフランスの領土争いが背景になっていることもあって、戦闘描写の割合は高いですが、ロビンが十字軍によるイスラム教徒虐待を非難するくだりや、戦費捻出のため増税を決行するイギリス国王に大憲章(マグナ・カルタ)を認めさせる展開を織り込むなど、9・11以降の匂いが感じられる趣向になっており、単に時代劇スペクタクルではなくて現代的なエッセンスも窺える作品でした。
キャラクター設定は、予備知識がなくても非常に分かりやすかったですね。敵国フランスと通じている重臣ゴドフリーはいかにも悪役然としていて、最後にはロビンとの一騎打ちになるんだろうなと簡単に予測が付くし、ロビンの妻となるマリアン(ケイト・ブランシェット)の男を寄せ付けなさそうなカツカツしたところが後半になって段々と軟化していく感じも然り。イギリス国王なんかもこれまた分かりやすいボンクラ君主ですしね。
ぼくなんかは、ロビン・フッドが日々の暮らしにあえいでいる民衆と共に立ち上がらん!と気概を見せるところに単純にグッときてしまうのですが、作品の中では、生き延びるために盗賊の真似事をしている少年とか税金逃れでハチミツ酒を密造している神父さんとか、王侯貴族だけでなく民衆のしたたかな姿にもさりげなくスポットが当てられていました。大憲章の話と合わせてこのあたりも作品として訴えたいところなのでしょう。民主主義の黎明期というか。
民衆の姿といえば、村の中で歌やダンスに興じる場面も繰り返しフィーチャーされていて印象に残りました。リュートフィドル、太鼓のアンサンブルがちょっとアイリッシュっぽくて(もしかしたらイングリッシュ、スコティッシュなのかも知れませんが)けっこう気に入りました。