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四畳半神話大系

先日、イオンモールKYOTO内の大垣書店中村佑介作品展を見たついでに購入。

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

小説は全4章。現在放映中のアニメは第1話〜第4話が小説の各章に対応していて、それ以降がアニメのオリジナルストーリーになっているのかなと勝手に思っていたけど違いました。アニメのストーリーは、小説の各章から少しずつエピソードを抜き出しつつそこに若干の脚色をつけたり話をふくらませたりしているようです。
小説最終章の「八十日間四畳半一周」は、どうやらアニメの第10話、第11話に対応させているようですが、アニメの第10話以降をまだ見ていないので詳細は不明。ともあれ第3章までのまったり感とは趣を変えたシュールな展開です。
主人公が自室の窓やドアを開けると、自室とまったく同じ四畳半の部屋が出現し、その四畳半の窓やドアを開けるとまたまた同じ四畳半が出現、そこの窓やドアを開けると・・・といった感じで、主人公はいつまでたっても四畳半の世界から外に抜け出せない無限ループ世界にはまってしまいます。
不条理といえば不条理な物語設定なのですが、ネタバレで書いてしまうと、その無限ループ世界は第3章までの複数の物語を包含したメタ世界であることが最後のほうで明らかになります。物語の最後でメタ展開を見せる趣向、主人公の自意識に焦点を当てる趣向は、TV放映版『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話と少し似通っています。ただ、こちらの小説は「エヴァ」ほど切実なムードはなくて、苦境に陥っている自分自身をもうひとりの自分が面白おかしく眺めているようなユーモアが漂っています。これは森見さんの軽妙な文体のせいかな。