『けいおん!!』の第5回を見た

前回の修学旅行編と時間的にシンクロするかたちで2年生(梓・憂・純)の動向を追う展開。第1期の番外編「冬の日」と同じくアニメ版オリジナルのストーリーで、これといった大きな事件やイベントも出てこない。まあ、予想していたとおり小ネタ連発の回でしたが、普段は絶対にメインキャラにはならない3人にスポットを当てる趣向は面白かったです。
その3人の中でも、今までちょい役でしかなかった純ちゃんが他の2人を食ってしまうほどのインパクトで爆走マイペース振りを発揮していました。平沢家での見事なまでのくつろぎっぷり・・・どこかで見たことあるなと思ったら、第1期で追試勉強をする唯の手伝いに来た(結果的には勉強の邪魔をしに来ただけの)律っちゃんの立ち振る舞いとどこか重なるんですな。考えてみれば、梓は澪、憂は唯、とそれぞれ性格的に被るところがあるし、ここでムギちゃんをとりあえず除外すると、

梓:憂:純 = 澪:唯:律

のような比例式もちゃんと成り立つわけで、たぶんアニメの制作サイドは梓たち3人に対して、3年生と似たようなキャラクターの振り分けを考えているのだろうと思えてきます。逆に考えれば、3年生は非常にバランスの取れたキャラ設定だった!ということですな。
マンガ探し、バッティングセンター、学校でのセッション・・・と、最後まで思いつきで行動する純ちゃんに梓と憂が引っ張られていく形で話が進んでいくのだけれど、個人的には学校でのセッション場面が良かったです。セッションなんだけれど、意外と3人の演奏するカットはほとんどなくて、薄暗い校内の風景がカメラの水平移動みたいな感じで静かに流れていって、演奏が一段落した後にまぶしいくらいの夕陽が教室に差し込むまでのシークエンス。ここは本当にステキな演出だなあと思いました。ありきたりな言い回しですが「空気感」みたいなものが上手く出ているんですよね。
ここでツッコミを入れるならば、どういうわけで童謡の「むすんでひらいて」をチョイスしたんだろう、ていうか楽譜まであるのかよ(1年生の練習用スコア?)純ちゃんもジャズ研だったらもっとそれっぽい曲を提示しても良かったのに・・・と思わなくもないでもないんですが、あの「空気感」を最優先するのであれば、あれはあれで良かったのかな、なまじインパクトのある曲を持ってこなくて正解だったのかも、と思ったりもします。
さて、今回純ちゃんが使っていたベースギターはこちらのヤマハ製品。
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ちょっとレトロチックな、あまりジャズ研っぽくない雰囲気のベースですが、今はもう生産完了品とのこと。たしか、10年くらい前にはGO!GO!7188のメンバーがこのシリーズのギターとベースを使っていて、JEUGIAの三条本店には、楽器を構えた彼女たちのポスターが貼ってあったのを覚えています。ギターでは、一番安い機種は普通のシンクロナイズドトレモロで、上位機種にはモズライト風のトレモロユニットがついて、最上位機種は寺内タケシモデル(ゼロフレット付き)として売られていたはず。古いヤマハのロゴがついたヘッドやボディーも格好良くて、一目惚れしました。当時お金に余裕があったら10万円前後クラスのギターを入手したかったのですが。
今回は、ジャズ研の1年生がストラトキャスターを抱えているカットが出てきましたが、ヘッドのロゴ(?)を見るとどうもフェンダーっぽくない、どちらかというと3万円くらいの入門セットで売られている「ストラトタイプのギター」って感じでした。軽音部の楽器に比べるとずいぶん手を抜いた描き方だなと思いましたが、1年生の女の子2人が似たり寄ったりの顔つきなのと同じで、それ自体にはさして意味がないということなのでしょうね。