日吉大社

昨日のつづきです。延暦寺の境内めぐりを東塔エリアで断念してから、ケーブルカーの駅まで徒歩。

緑と赤のシックなツートンカラーが目印のケーブルカー(この角度から下を見るとけっこう怖い・・・)に乗って、10分ほどかけて山を下り、滋賀県の坂本に出る。駅から歩いて5分、比叡山高校の前を通って日吉大社へ。

頭に屋根の付いたヘンな鳥居。神社のパンフレットによると神仏習合の信仰を表すもので「合掌鳥居」と呼ばれているそうな。神仏習合についてのウンチクは、アンチョコ的にウィキペディアから引用させてもらおう。

比叡山天台宗延暦寺ができてからは、大山咋神大物主神は地主神として天台宗延暦寺の守護神とされた。唐の天台山国清寺が地主神として「山王弼真君」を祀っていることに因み、延暦寺ではこの両神を「山王」と称した。

そして天台宗延暦寺の守護神としての崇敬が、山王信仰へと発展しやがては「山王神道」とも呼ばれる信仰をも派生させた。山王神道では山王神は釈迦の垂迹であるとされ、「山」の字も「王」の字も、三本の線とそれを貫く一本の線からなっており、これを天台宗の思想である三諦即一思想と結びつけて説いた。また天台密教は、鎮護国家、増益延命、息災といった具体的な霊験を加持祈祷によって実現するという体系(使命)を持ち、山王にも「現世利益」を実現する霊威と呪力を高める性格を与えたようである。
山王信仰 - Wikipedia

延暦寺ほどではないにせよ、日吉大社の境内もかなり広い。敷地内の社殿をざっと見て回るだけで約1時間を要する。境内めぐりの難関は標高381mの頂にある金大巌(こがねのおおいわ)である。時計はとっくに昼の12時を回っているのにまだ食事もしていない。とはいえ、ここまで来たら見とかなアカンやろということで、おもむろに登山を始めたのである。たかだか381mとはいえ、運動不足の身体には堪える道のりだった。

写真の左は金大巌、右は牛尾宮。よくこんな山の上にお社を建てたものだと感心してしまう(まあ、延暦寺だって同じことなんだが)。ここでしばし休憩をとってから下山。下り坂も意外としんどい。山道を歩き慣れてせいか、歩くたびに体重が膝にかかってしまい、下りた時には足が痛くて仕方がなかった。

東本宮の本殿。階段を上がって左右の端に大きな狛犬が座っている。神社の社殿形式についてはよく分かっていないのだが、日吉大社境内のお社はだいたい似たようなデザインが多いと思う。
神社はお寺と違って仏像がないからいまいちピンと来ないのかも知れないけれど・・・というわけで今回は見逃しているスポットも多い。写真を撮らなかったのだが、東本宮を出たところには「猿の霊石」という大きな岩のような石があった。それ以外にも西本宮の楼門に猿が彫られていたり、神猿舎というのがあったり、お猿さんに関係するアイテムがいろいろとある。
なんで猿やねん?という疑問に対しては、以下リンクのサイトが大胆な推論を立てていておられます。
平安京鬼門の鬼撃退猿ライン|西陣に住んでます
鬼門の方角・艮(うしとら)の正反対にある裏鬼門が坤(ひつじさる)。鬼門に裏鬼門の動物を配置して魔力を帳消しにしてしまおうということかな。そういえば京都御所の東北角も「猿が辻」というらしく、お猿さんは魔除けの動物として重宝されていたようですね。