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日蓮宗系寺院チェック

先日、京都国立博物館での「日蓮と法華の名宝」展を見たこともあり、市内にある日蓮宗系の寺院を回ってみた。

本法寺

堀川寺之内からちょっと北、茶道総合博物館の北隣にある。六代将軍・足利義教から迫害を受けて「なべかむり上人」として有名な日親の建てた寺院である。

カエデではなくサクラの紅葉。これはこれでなかなか味わいがある。
敷地内にある庭園も拝観できるので行ってみた。

庭園案内の出ている建物の入口は閉まっていたので呼び出しブザーを押すと住職さんが出てきて、屋内を案内してくれた。どうやらぼくの他に参拝客は来ていなかった模様。
最初に屋内の展示室に入った。1階の壁に掛かっている長谷川等伯の「佛大涅槃図」は高さが9.5mもある大きな絵で、横たわっているお釈迦様を見上げなければならないくらいだった。その他には、曼陀羅本尊や日親聖人像など、国立博物館で見たのと同じような作品が展示されていた。自分の身の丈以上もある仁王像を背負って称名寺から見延山久遠寺へ歩いて運んだという日荷上人のユーモラスな肖像もあった。2階では、長谷川等伯と同じく法華信仰者だった本阿弥光悦の茶具や能面、楽吉左衛門作の赤楽茶碗などを見ることができた。
ざっと展示物を見てから、本阿弥光悦が作った庭園「巴の庭」に入る。

こぢんまりとした庭は、誰もおらずひっそりとしていたが、人気のないほうが落ち着いてくつろげる利点もあるな。

とりあえず絵になるショット、ということで。

境内には長谷川等伯の銅像も立っている。等伯さんは何を見上げているのだろう。

妙顕寺

堀川通から寺之内を東に入る。この周辺は茶道博物館や、表千家不審庵、裏千家今日庵などの建物が集まっており、和服姿の女性とちょくちょくすれ違う。なんとなくハイソな界隈である。

妙顕寺は日蓮宗大本山のひとつで、日蓮の孫弟子にあたる日像上人の建てた寺院。さて、ここでお目当ての拝観なのだが、あいにく工事中のため敷地内にはほとんど入れず。方丈に入る道だけは空いていたが、事前予約した人しか拝観できない模様。これは残念。道沿いの立て看板には「工事中でご迷惑をかけまして申し訳ございません」といった内容の挨拶が毛筆で記してあった。

妙蓮寺

堀川通を挟んで西側にある妙蓮寺にも行ってみた。このお寺も妙顕寺と同じく日像時代の寺院だが、西洞院五条の造酒屋のおばあさんが日蓮宗に帰依したことが寺の由来らしい。

庭園は禅宗枯山水風。案内してくれた女性職員さんによると、白砂の上に点在する石はお釈迦様と十六羅漢で、刈り込んだ植木のそばにある大きな石が身体を横たえて涅槃に入ったお釈迦様、その周りにあるのが弟子の十六羅漢たち。さらに、奥のほうには普賢菩薩文殊菩薩に見立てた石も置かれているという(石を仏や羅漢になぞらえる趣向は知恩院の庭園にもあったな)。また、9月頃には植木の周辺に彼岸花曼珠沙華)が一斉に咲くとのこと。これも一度見てみたいな。
この妙蓮寺でも拝観者の姿は少ないようで、ぼくのほかには中年の夫婦が来ていただけだった。女性職員さんは寺の由来、庭園に置かれた石の意味合い、ふすま絵のことなど、立て板に水といった感じで次から次へと紹介してくれた。ずいぶんとヒマを持て余していたのだろうか。いやいやありがとうございます。お庭は広すぎず狭すぎず、ゆったりくつろぐにはもってこいの空間だった。静かに時間を過ごしたい人には穴場のスポットだと思う。

枯山水風の石庭もいいけれど、中庭の静謐な雰囲気もなかなかのものですよ。そうそう、このお寺にも長谷川等伯の絵が置いてあるのだが、重要文化財に指定されてからは、作品の劣化を防ぐために倉庫へ移しているとのこと。追加料金を払えば見せてもらえるようだが、これはいずれまたの機会に。

秋なのに桜・・・これは「御会式(おえしき)櫻」といって、日蓮聖人入滅の10月13日頃から咲き出すという珍しい桜。これが見られたのもラッキーだったな。