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『童年往事 時の流れ』

侯孝賢ホウ・シャオシェン)の1985年作品。
1950〜60年代の台湾を舞台に、少年時代の侯孝賢とその家族を中心に繰り広げられる人間ドラマ。ただ、この映画は単に「家族の物語」ではなく、ドラマの中から大陸(中華人民共和国)と台湾の対立関係も窺えるところが面白い。また、侯孝賢の家族には広東省から台湾に渡ってきた経歴があり、本作では大陸への望郷の念を捨てられない祖母の死が、二国間の断絶とオーバーラップしているように見える。
先に見た『恋恋風塵』では出演者のセリフが台湾語のようだったが、こちらの『童年往事』では北京語がメインに使われていると思われる(大陸から台湾に渡ってきた外省人という背景設定があるためか)。祖母が話しているの言葉はイントネーションが広東語のように聞こえたけれど、細かい違いは良く分からない。
本作でも、主人公の少年が思いを寄せるヒロイン役で辛樹芬(シン・シュウフェン)が出ている。特に美人とか可愛い訳ではないけれど、印象に残る顔立ちだった。
物語の舞台は高雄らしい。ただ、当時の風景が残っていないため嘉義など別の場所で撮影を行ったとのこと。
ロケ地については→『童年往事 時の流れ』 ロケ地
バックにながれる音楽には野暮ったさを感じるものの、下手をすればしんみりしがちなドラマに軽やかさを与えているようにも思える。そういえば『悲情城市』の音楽とも似た雰囲気だなあ。