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『台湾に生きている「日本」』

台湾に生きている「日本」 (祥伝社新書149)

台湾に生きている「日本」 (祥伝社新書149)

90年代後半から台湾に在住する著者が、台湾各地に残る日本の面影を紹介していく本。少し前に見た映画『台湾人生』と同じく、聞いて回る相手が「日本語世代」のお年寄りばかりなのはちょっと気になるところだが、日本統治時代の名残を見ていくのが本書の主旨だからまあ仕方ないところだろう。
植民地支配の善し悪しは別として、異国の地で懐かしい日本の風情に出会うとか、日本語の分かるじいさんばあさんたちに出会うというのは、戦争を知らない世代の日本人にとっては、何というかノスタルジー的なツボを突くものなんだろうな。
祥伝社新書から出ている『韓国の「昭和」を歩く』も似通った内容の本だったが、著者の鄭銀淑は戦後生まれの韓国人だから、単純に日本統治時代を懐かしむという風ではなかったな。そうかといって日本の名残には何でもかんでもケチをつけるという感じでもないが。両者を読み比べてみるのも一興かな。
ところで、ぼくは数年前にプサンに行ったことがあって、バスの運ちゃんが「料金は90ウォンだよ」と声をかけてきたり、屋台街のおっさんが「うどんもあるよ」と言ってきたり、そんなのを聞いてへえと少し驚いた経験がある。日本人が外国人観光客に英語を使うくらいのノリだったのかも。泊まったホテルの従業員や、プサン港近くの土産物屋のおばちゃんは日本語が流暢だったので、こちらがちょこっと勉強した程度の韓国語を披露するのも何だか恥ずかしいような気分にもさせられた。