『反中vs.親中の台湾』

反中vs.親中の台湾 (光文社新書)

反中vs.親中の台湾 (光文社新書)

先日、ドキュメンタリー映画『台湾人生』を見に行ったこともあり、ちょっと台湾の歴史について興味が出てきたので購入。
タイトルには「反中」「親中」という言葉があるけれど、対中国関係の話は思ったほど出てこない。どちらかというと90年代後半から続く国民党と民進党の対立構図が主な要素。
国民党は大陸の共産党と同じくソ連の影響を受けたため、組織がピラミッド型のトップダウン構造、頂点にいる党主席に権力が集中しやすかったそうだ(最近は党内の民主化でだいぶ変わっているようだが)。また、中国大陸から逃げてきた国民党には支持基盤がなかったので、地方派閥として暴力団とのつながりをもっていた、暴力団の政界進出というのもあったとか。
長年台湾を支配してきた国民党を破った民進党にとって、蒋介石はなんともうっとうしいシンボルだったようで、台湾北部にある中正国際空港(中正は蒋介石の本名)は台湾桃園国際空港に、中正紀念堂は台湾民主紀念館へと名称変更を図ったとのこと。蒋介石は台湾のレーニンみたいなものかね。